消えない米中貿易摩擦懸念

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アメリカ商務省は16日、中興通訊(香港・中国本土市場し、通信機器やシステム、スマホ製造・販売しているグローバル企業)が輸出管理規制に違反しているとし、アメリカ企業が輸出管理規制対象となっている製品・技術・ソフトウエアを同社に輸出することを7年間禁止する措置を発表した。

今回違反と認定されたのは、イランや北朝鮮に違法に輸出していたことが理由だと言う。この件については2017年3月に中興通訊は総額11億9000万ドルの罰金を支払うことを同意し、2016年12月の時点で罰金費用処理は済んでいるが、違法と認定された際に同社の幹部4人の解雇と社員35人の処分も発表していたが、それを守らなかったと言うもの。約束を守らなかったことで『虚偽の陳述』と米国は非難しているのだ。

中興通訊は、今回の米国の措置について『すべてを受入れ責任をもつ』としながらも『米国に対し不公平、不合理な処罰に断固として反対する』ことを明らかにしている。

同社にとってイランや北朝鮮との取引は収益に影響が無い。一方で、中核部品の半導体については米国に依存している。(サーバー・PCのMPUは100%、メモリーのDRAM・NAND FLASHは100%、テレビ用半導体もほぼ100%)

今回は違法にイランや北朝鮮に輸出していたことで、米国の制裁は今のところ個別制裁となっているが、影響は大きいだろう。これに対し懸念されるのは、中国が対米にレアアースの供給を縮小するかということ。

実際に米国は中国の鉄鋼・アルミに対する課税措置を解除していない。現在は米中貿易摩擦よりも米国の長期金利の上昇に焦点が集まっているが、今後中国がどのような対応をするのか。大豆に対する課税についてもまだ決定はでていない。

大豆・レアアースについてなど中国が本格的に対米措置に出ることがあれば、今度こそ本格的な貿易戦争に発展しかねない。

参考記事;https://www.moneypost.jp/272303