LMEアルミ価格の急騰と今後懸念される影響について

LMEアルミ価格の急騰と今後懸念される影響について

LME非鉄先物を見ると、アルミニウムとニッケル価格が急騰している。他の非鉄金属に比べて独歩高だ。特にアルミニウムは直近で2011年9月以降6年半ぶりの高値を付けている。

この背景にあるのは米国の対露制裁がある。米国が6日、対露制裁として、アルミの世界生産約6%を占める『ルサール』を制裁対象としたことで、供給が逼迫するとの見方からアルミニウムに買いが集まっている形だ。17日にはLMEもルサール製のアルミ受渡を停止している。供給不安が一服するまで、この動きは続く可能性がありそうだ。

2017年に問題視されたトランプ大統領の『ロシアゲート問題』を見ると、トランプ大統領は対露制裁を弱めにくいと考えられる。直近の報道で、米国の対露追加制裁は一旦見送られている形ではあるが、完全に取り下げられたわけではなく、制裁案の検討を続けている。つまりは対露制裁・米ロ関係については懸念が残っており長期化する可能性が高い。

アルミニウム価格の高騰は、自動車メーカーや製造業の収益圧迫要因であり小売価格の上昇にもつながる。のちには、素材メーカーにとっても需給がだぶついてくる可能性もあることからLMEアルミ価格の動向を見守る必要があるだろう。

参考記事;https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180418-00010000-tekkou-ind