ドル安・円高の動き継続か

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23日、日銀金融政策決定会合では金融政策について現状維持を発表。一時、ドル円は111円台に戻す場面もあったが、24日の現時点では節目の110円を割り込み、109円台で推移している。普通に考えると、金融政策の違いから起こる日米金利差から『ドル高・円安』となると見られていたが、何故なのか。

展望リポートを見ると、予想物価上昇率が『弱含み』から『横ばい圏内』に引上げられている。日銀黒田総裁は金融政策正常化について否定したが、予想物価上昇率の引き上げから、金融政策正常化に向かうとの見方が強まっていることが要因と考えられる。

昨年、ECBでも金融緩和縮小に関する発言をドラギ総裁がしたことで、一気にユーロ高となった場面があった。その後、ドラギ総裁は発言を覆す行動に出たが、ユーロ高の勢いは暫く続いてた。

そこにきて、本日、米財務長官・ムニューシン氏が『弱いドルは米国にとって良いこと』だと発言。30年ぶりの大型減税により債務拡大が懸念される中、米国の輸出企業に対しドルの弱さは追い風になると考えられる。インフレ率が急激に上昇する場面ではドル高が上昇スピードを抑制する効果もあり、ドル高が好感されるだろうが、現状では米国にとってドル安は好ましい状況にあるのかもしれない。

今年の大きな流れで見れば、ドル高・円安になると個人的には見ているが、現状を加味すると『ドル安・円高』の動きは暫く長期化する可能性もありそうだ。

参考記事;http://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor1801a.pdf

https://jp.reuters.com/article/boj-analysis-idJPKBN1FC194

https://jp.reuters.com/article/mnuchin-idJPKBN1FD0XP?feedType=RSS&feedName=businessNews&utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+reuters%2FJPBusinessNews+%28News+%2F+JP+%2F+Business+News%29