OPEC減産から考えうる懸念

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30日オーストリアのウィーン本部でOPEC総会が開かれる。現時点ではOPEC加盟14カ国と他の主要産油国は、世界の原油供給量2%程度減産を継続すると見られている。

これまでOPECの減産やサウジアラビアが積極的に減産に動いていること、またイラン・イラク・サウジアラビアの地政学的脅威などを背景に、WTI価格は上昇してきた。サウジは国営石油会社サウジアラムコのIPOを予定しており、WTI価格を上昇させたいとの思惑もある。

だが、WTI価格の上昇と共にマーケットに懸念が浮上。行き過ぎた減産は、『原油の需要が冷え込む』『EVなどへの技術シフトを加速させる』『米国シェールオイルが増産される』ことに繋がるからだ。また、原油価格の上昇はインフレに繋がる可能性があり、インフレ・物価の上昇がマーケットの懸念材料になる可能性があると指摘するアナリストもいる。

原油需給の引き締めにより当分はWTI価格は上昇する可能性がある。行き過ぎた上昇は物価の上昇につながり、どの程度までが市場の許容範囲なのか見極める必要はありそうだが、減産がストップされれば、それもまた市場に動揺を誘う結果につながる可能性もある。WTI価格を下げることなく生産量を増やす方向に進めることはできるのか。OPECの動向に注目だ。

参考記事;http://jp.wsj.com/articles/SB11508787855823154750704583540923733238626