パウエル次期FRB議長候補の承認公聴会とドル円の動き

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米国時間の28日、時期FRB議長候補・パウエル理事の承認公聴会が行われる。承認公聴会の準備原稿によると、パウエル氏は『FRBの政策を景気動向に応じて調整するには柔軟性を保たなければならない。米国の金融安定性と経済的繁栄への新たな予想外の脅威に対し、FRBは適切な力をもって断固として対応する準備を進めておく必要がある』と発言するようだ。

この原稿から予想しうるFRBの金融政策は、①金融危機が起こる場合は金融緩和に動く(利下げを行う)②利下げ余地も残す為、利上げのペースは緩やかということだろう。これまで、『米国の利上げ=日米金利差拡大』の思惑からドル高・円安の動きであったが、11月に発表された経済指標では市場予想を下回るものもあり、米国に景気減速懸念も浮上している。このような状況下で、パウエル次期FRB議長が積極的な利上げを行うとは考えにくいことから、一方的なドル高にはなりにくい可能性が高まっているのではないだろうか。

日本企業の多くが想定為替レートを110円程度としている為、ドル円が今の水準であれば心配することはないだろう。だが、ドル円が想定為替レートを下回ることがあれば、業績の見直しをせざるを得ない日本企業も出てくるであろうことから、FRBの動向と共にドル円の動きには注視したほうが良さそうだ。

参考記事;https://jp.reuters.com/article/idJPT9N1K203A