中国懸念浮上 金融危機再燃か
先週23日に上海株は約2.5%急落、翌日には小幅に切り替えしたものの本日も約1%近い下落で終えている。東北証券・上海在勤のアナリストによると、バリュエーションが歴史的な高水準に近づいていることや、年末を控えた機関投資家が換金売りをしている動きがあるという。
また、中国は米国の12月利上げに備えて金融引き締めに動いていることから、中国政府は金融市場の混乱を甘受しているようだ。その証拠に、中国ではこれまで、株式相場の急落場面では株価安定の為、政府系基金の介入があり、PKO(株価維持活動、日銀のETF買いのようなもの)があるという株価下支えの動きもあって、これまで中国金融市場は安定的に上昇を続けていたが、23日の急落局面ではPKOの実施がなかったようだ。本日の下落でも大きく株価が戻すことはなかったことから、中国当局の動きに変化があった可能性がある。
米国で12月利上げが行われれば、ドル高元安になる可能性が高く、更にレパトリ減税の実施が決まれば中国から資本逃避の動きが出る可能性がある。中国当局はこういった動きからくる金融市場の混乱を先取りしているのではないだろうか。
米国利上げが中国からの資本流出を引き起こすのか、来月のFOMCにかけて懸念材料となっている。