若田部副総裁の『日銀・外債購入(為替介入)』言及について

日銀・若田部副総裁は、22日に行われた参院財政金融委員会で『日銀による外債購入について、いろいろと問題がある』とコメント。

そもそも日銀が外債を購入すると言うことは、自国通貨の円を売って外貨を調達し外債を購入することから、実質的な為替介入であり、円安誘導政策と言える。その為、円高に推移し始めると、外債を購入するべきか否かの議論は、これまでも何度も出てきている。

今年の2月円高に推移し始めた時点でも、内閣官房参与であるイエール大学名誉教授・浜田氏からも日銀の外債購入を検討すべきとの発言があった。

外需企業の多い日本企業にとって、今回のような想定為替レートを割るような円高局面では金融緩和政策やETF買いよりも、むしろ日経平均の上値を抑えている為替を何とかして欲しいと言うのが本音ではないだろうか。

だが為替介入については、景気回復を目的とした自国通貨の切り下げは認められておらず、もし実施するのであれば他の主要国の同意を得ることが求められている。となると、トランプ大統領が貿易赤字を問題視した行動に出ている今、ドル安を好むとの見方も広がっており、現状では日本が自国通貨の円を売ってドルを購入して外債を買う『為替介入』を簡単に認めるとは思えない。

今回の若田部副総裁のコメントは、そういった状況を加味してのものだと考えられる。

とは言えドル円が現状維持をしている状態では、日経平均の方向転換は見込みづらく、景気回復・企業の業績拡大を続けたい日銀にとって頭を抱える問題であるのは間違いないのではないだろうか。

参考記事;https://jp.reuters.com/article/wakatabe-boj-idJPKBN1GY0ZE