斎藤教授の『株高の要因について』

斎藤教授の『株高の要因について』

証券業界に約40年勤務経験のある斎藤教授は、東条麻衣子が株式投資をする上で、最も尊敬しご意見を参考にさせて頂いている人物です。IPOの立ち上げを担当した経験や、フィナンシャルプランナーの資格も保有しており、分析方法はとても勉強になります!

今回は『株高の要因について』です。

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「不景気の株高」とは、景気が悪化してきたら、更なる悪化を防ぐ為に財政政策や金融政策で景気回復を促し、株価は景気回復を先取りし上昇する事だと思いますが、実際には日欧は金融調節が効かない金利水準にあり、財政に関しても、先進国では財政赤字が高水準になっており、大規模な財政出動は見込めない状況になっている様に思われます。

では、何故今株高が高いのか?世界景気を押し下げている要因は貿易摩擦であり、12月には中国が主張している、貿易摩擦開始時点の関税率に戻り世界景気は回復するというシナリオであれば、現在の株高は当然でしょうが、現状を鑑みれば、アメリカの農産物輸出が増え、12月に発動予定の追加関税が見送りになる事で、世界経済が浮揚するとは思えず、残る株高要因は、世界的低金利を起因とした過剰流動性による資産バブルが起こっているとしか考えられず、1990年代の日本のバブル崩壊を検証すれば、行き過ぎた不動産や株価の上昇、特に不動産価格の上昇は、過剰債務問題を先送りするだけで、消費者が購入可能な価格になるまで金融機関や財政の痛みを伴う価格調整が起きる可能性が以前より高くなっていると思います。

従って、指数の上昇に伴う個別株の上昇、例えば循環物色による全体の上昇がある可能性は高いかもしれませんが、個人が大きく利益を得る可能性は低下していると思っています。

 

※斎藤教授の私見であり、売り買いを推奨するものではありません。
※無断転載、引用は固くお断りします。