楽天証券・窪田真之氏『日本株を売る外国人VS買う日本人』

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本日の東京証券取引所による発表で、23日時点の裁定取引に伴う買い残は1兆3321億円(前週比マイナス2019億円)、売り残は1兆945億円(前週比プラス1051億円)。売り残の増加は6週連続で1991年以降の最高記録を更新した。

JPXの発表する投資部門別海外状況を確認しても、2018年に入り海外勢の売り越しが目立つ。

こういった状況をふまえ、楽天証券経済研究所長兼チーフストラテジストの窪田真之氏の見解は以下の通り。

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日本株は海外投資家が売れば下がり、逆に買ってくれば上がる傾向にあり、日経平均の動きは海外勢の動向に左右されやすい。過去の統計を見ても海外勢が売り越している際には日本の投資家は逆張りで買い向かう。確かに、海外投資家が売っている下落局面で買い向かっている日本投資家は短期的に見ると負け越しているように見えるが、大きな流れで見ると良い局面で買っていることになっているケースが多い。

相場の転機はいつなのかと言うと、窪田氏の見解では『海外勢が買いこしに転じる時』だ。それを見るのに『裁定買残』は重要だと言う。海外勢が先物を買うことで、日経平均が上昇するとともに裁定買残は増加、海外勢が先物を売ると日経平均が下落するとともに裁定買残が減少するからだ。

裁定買残がどの程度にまで減少すれば売り圧力が減少するかということは、相場状況によってまちまちな為はっきりとしたことは分からないが、買残が減少してきている今、潜在的な売り圧力が減ってきていると言える。

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窪田氏の見解で裁定買残を見ていたのが先週のデータで、本日発表のあった裁定買残・売残ではさらに買残が減少し、売残が増加していることから、ボラの高い相場が続くとしても潜在的な売り圧力は着々と減少してきていると言えそうだ。

裁定取引に伴う動きから、日本株を買う日本人にプラスに働く日も近いのかもしれない。

ただし、マクロ環境を見ると不確定要素や不安材料が多いのも確かで、それだけ自信を持って売ってきている海外勢が多いのも頭にいれつつ、慎重な取引を続けたい。

参考記事;https://japan.zdnet.com/article/35116790/4/