中国の経済成長鈍化の兆候

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中国国家統計局は、11月・工業部門企業利益は10月の25.1%増から鈍化し、14.9%増となったことを発表した。伸び率は4月以来の低水準。

また、CBBの発表では、中国鉱工業部門の企業賃金と雇用の伸びにも鈍化が見られたという。

中国で行われた中央経済工作会議では、経済成長の鈍化よりも『金融リスク・環境汚染・貧困』への対策を重視すると発表しており、多少の鈍化については政府が介入しないことになる。

また、今月25日には中国人民元の中心レートを引上げている。日本同様、中国も輸出関連企業が多いことから普通に考えれば、人民元安の方が都合が良いにも関わらず人民元の中心レートを引上げたのには、中国政府による『金融リスク』への対応策だと思われる。

これまで、人民元安になると中国企業などは自国通貨価値が下がる=自国での資産が減ることから、海外資産・金・仮想通貨に投資するなど、中国からの資金流出が見られていた。これを回避する為に行ったのが中国人民元の中心レート引き上げだったのではないだろうか。金融リスク対策による、元高と中国輸出関連企業への影響はどの程度になるか気になるのと同時に、今後3年間は『金融リスク・環境汚染・貧困』への対策を優先する中国政府の動きから、暫く、中国で発表される経済指標は伸び率の鈍化が続きそうだ。

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