NAFTAの行方で変わる薄型テレビの未来

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21日、NAFTA再交渉の第5回会合は進展のないまま閉会した。トランプ大統領は米国の雇用を奪ったと主張し続けており、米労働者に恩恵をもたらすかたちにならなければNAFTAを脱退すると宣言している。

現在、NAFTAのもと、米国は無関税でメキシコから薄型テレビの輸入が可能とうこともあり、米国での薄型テレビ年間販売4000万台のうち4分の3がメキシコで組み立てられたもので、メキシコはテレビ製造で世界1位となっている。

自動車業界もNAFTAの行方には注意しているだろうが、米国がNAFTAを脱退もしくは、規制の強化をすることになれば、米国での自動車製造が増え、米国雇用の促進に繋がる可能性はある。だが、薄型テレビのケースでは当てはまらないだろう。そもそも、現在、米国にはディスブレー部品を製造する工場が存在しない。

薄型テレビメーカーは、電子部品のほとんどを低賃金・低コストの中国などで製造され、メキシコで組み立てる仕組みを取っている。また、薄型テレビの利益率は低く、もしNAFTA交渉が進展せず、トランプ大統領の指摘通り米国が脱退することになれば、それに伴う関税の問題などから米国での薄型テレビの価格は値上げせざるを得なくなる可能性がある。

最近の傾向では、ブラックフライデーやブラックマンデーなどの特売日を待って家電製品を購入する消費者も多いことから、もともと薄利で販売している薄型テレビメーカーにとって、値引きも大きく行えなくなる可能性もあり、そうなると販売台数の減少にも繋がるかもしれない。

NAFTAの行方によっては、薄型テレビメーカーは大きな岐路に立たされることになる可能性がありそうだ。

参考記事;http://jp.wsj.com/articles/SB12034286526028824355804583532183814915030