消費増税に対する懸念、日本の財政悪化警戒高まる

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株価は堅調に推移している一方、日本国債の信用を移すCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)の保証料率が終日で急上昇し、約1年2か月ぶりの高水準をつけた。長期金利も約2か月ぶりの水準まで上昇。

その背景には、今回の衆院選で、どの政党が勝っても財政再建が難しいとの見方があるからだ。

安倍首相率いる自民党は2012年に消費税5%から10%への引き上げで得られる財源は「社会保障の充実」・「基礎年金国庫負担引き上げ」・「後代への負担つけまわしの軽減」に使用するとしていたが、今回の選挙で「後代への負担つけまわし軽減」にあてる税収の一部を『幼児教育無償化などにあてる』方針を打ち出し、2020年のPB(基礎的財源収支)黒字化目標は断念している。対抗馬である小池氏率いる希望の党は「景気回復となるまで増税凍結」を唱えており、いずれにしても日本の財政悪化懸念が高まりつつある。

マーケットがリスクを意識することでCDSの需要が高まり保証料率が上がる仕組み。この動きは国債の格付けにも影響がある。R&I(格付投資情報センター)は28日、PB黒字化目標先送りを受けて「政策運営の信頼感を損ね、見通しに対する懸念を高める事態だ」との見解を示すとともに、国債の格付け見通しを「ネガティブ」とした。

仮にここから更なる格下げとなれば、外貨を調達する際の金利が高くなる可能性も出てくる。

日本の先行きに対し懸念があるのは事実で、海外株高に連れ高してはいるが、過度な期待には注意が必要ではないだろうか。

参考記事;https://www.nikkei.com/article/DGXKASGF28H0R_Y7A920C1EE8001/